JALの再建が進み2,000数億円の黒字となり、近々株式公開をし、国から支出された何千億円のお金を返却するという報道があった。
私もJALフアンであり、飛行機はJALで過ごしてきた。
年10回ほどの搭乗では、何がわかるかというと何もわかっていなかったのが事実であり、移動の足として使うというだけのことであった。
経営破たんの要因は、傲慢になった従業員一人一人と経営者、どちらも責任があったという。
私も一度、航空券購入のカウンターで、若き女性が傲慢な姿勢で対応をしたのを5年たった今も覚えている。
この会社の指導は、どうなっているの!!。
悪いことは重なるというか、搭乗口で連れの搭乗券が引換券のようで
「搭乗できません」の一言。
「どうすればいいのですか」の問いに
「搭乗券購入のカウンターまで行ってください」
側にないよ・・・・時間もないよ・・・場所はどこ・・・・。
でも、解決策はカウンターまで行かなければならないの一点張り。
ギリギリでカウンターに行き、航空券と差し替えていただき、再度搭乗口へ。
この時に対応した従業員は、へらへら笑いながら案内をするのでもなく、緊急であるのか否かの判断もできない。
この時、JALに対して傲慢な人々の集団であったと気がついた。
トラブルが無ければ気がつかないことも、トラブルがあるとその企業や対応する人の心根がでてくるから不思議だ。
これはJALに限らず、どの企業も学校も近所付き合いも、人と関わることには同じであろう。
それでもリーダーの女性が、対応をした若い女性を連れて謝りにきた。
【JALという航空会社が大好きだからこそ、おかしいことに関して言わせていただきました。
一人一人お客様を大事にしなければならないこと。
時には傲慢なお客様いることでしょう。
それでも、状況判断をしなければ多くのお客様を無くしますよ。
ただ単に我侭で怒っているのではなく、若いお嬢さんが傲慢な対応があたりまえであると錯覚することはこのJALの信用をも落としますよ。
未来ある若い方々が、優秀な企業であるJALを背負って行くには、お客様一人一人を別け隔てなく対する能力を、ぜひ身につけてください。】
と結んだのだが・・・・・その数年後破綻となったわけだ。
その破綻したJALの再生を引き受けられたのが、京セラを起業した稲盛氏。
京セラには【京セラフィロソフィ】という経営哲学がある
【人間として何が正しいかという原点に立ち返ってものごとを考え、その原則に従って行動してきた】
と記されている。
この哲学は、こちらを参照下さい。
http://www.kyocera.co.jp/inamori/management/
同じくJALフィロソフィはこちらを参照下さい。
http://www.jal.com/ja/outline/corporate/conduct.html
稲盛氏の哲学(フィロソフィ)は、関わった企業にみな存在するという。
【心】【正しい】【真面目に】【人生哲学を持つか持たないかで人生は大きく変る】【真剣に生きる】
キーワードの言葉は、みな昔から人として生きることの基本だと思う。
京セラフィロソフィ、JALフィロソフィ、どちらもわかりやすく、人としていかに大事なことかを考えさせられた。
国会事故調・委員長黒川氏が出した結論の最終報告書には【人災】記されており話題になっている。
東京電力にも公的資金が流れた。
稲盛氏の率いたJALにも公的資金が流れた。
稲盛氏は、今までに人員整理をしたのは初めてのことと言われていた。
給料のダウン・年金の削減(現給付者・現役の方も)・無駄の削減などなど、そこで働く人々全員が痛みを分けたわけだ。
JAL破綻後に大震災が起こり、売上は落ち込み、苦悩の一途だったと聞いた。
それでも徹底的な経費削減を全社員で行ったという。
稲盛氏が率いたJALと東電は何が違うのだろう。
東電は、電気料金の引き上げを、何度も修正してきた。
調査資料が提出され、再度値上げ幅を8%と提出した。
批判が起きる度に、訂正訂正と発表を覆すが、実のところ東電の経営体質はどうなっているのか疑問に思える。
もちろんそこで働く人々の事を考えれば、同じ労働者として感じるものはあるのだが。
政治の世界にも辟易しているのが事実だか、大企業と言われる東電の発言も、人を欺く雄弁さにビックリする。
学校のいじめの問題も、臭いものには蓋をする姿勢は相も変わらず。
見本となるべき警察の不祥事の報道もますます激しくなり、いじめも問題で警察に相談しても一緒に考えることもせず、大きく報道されればあわてて修正したり対応をしたりと、事が起こる前に何をなすべきかを考える公人と言われる組織、そこで働く人々のなんとも情けなさに、昔は・・・・とは言いたくないが、若き人々が人を信じられなくなり、世の中に関わりをもとうとしない生活・生き様もわかるような気がする。
今、私達に求められるのは、倫理観・日本の基本を導いた安岡正篤氏や中村天風氏の残された書物を紐解く必要があるように思える。
基本中の基本なきにして、ホップ・ステップ・ジャンブもありえないだろう。
そうそう、JAL再生を行った稲盛氏は、中村天風氏・松下幸之助翁に指示を受けていたという。
http://bit.ly/L9w8Md
安岡氏に師事した人々には、吉田茂氏・池田勇人氏・佐藤栄作氏・福田氏・大平氏という政治家の方々。
多くの経営者も師事を受けている。
http://www.chichi-yasuoka.com/
稲盛氏は、【盛和塾】という塾を・・・
私たちは、師事する人を失ってしまったのかもしれない。
何をなすのも人であるはず。
その人としての基本を育てなければ、この国の基本・会社の基本・社会の基本・学校の基本・司法律法の基本・警察の基本・公務員の基本、そして家庭での基本・・・なんとも基本を元にできなくなった日本だな・・と考えこんでしまいそうだ。
少し立ち止まり、先人が作ってきたこの国を知るということを一人一人が行えたらいいな・・と思う。
そう、我が家も子供の反抗期時代
【家庭のルールが守れない人間に社会のルールが守れるわけがない。社会に迷惑をかけるから一歩も外に出てはいけない】
などと叱ったことを思い出した。
考えても考えても、家庭が基本を教える場所であり、その基本が整い、社会と関われる人間として育ち、聖職と言われる公の人間となれ、指導をする人間となれるのかもしれない。
私自身も反省を込めながら、本箱に鎮座していた書籍に再度目を通し始めた。
幾つになっても、学びを忘れたら人間は後退をしてしまうのだ、としみじみ思うこの頃である。
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