今年は暑さが半端ではない。
打ち水など効果なし。
CO2排出削減などと言ってはいられない。
冷房なくして体力がもたない。
しかし、電力不足の報道は現時点で見聞していない。
甘えてはいけないと思いつつも、エアコン頼りの自分がいる。
神奈川県秦野市にある【手打ちそば 石庄庵】という蕎麦屋さんに出掛けた。
車を駐めて窓を開けたとたん、涼しいと言う言葉が自然にでる。
丹沢の山懐にいだかれた場所にお店はある。
まわりは畑。
宣伝なし、クチコミでの訪問である。
場所は分かりづらいが賑わっている。
私は、紹介をいただいての訪問である。
今回で3度目の訪問となる。
このお店の店主の話が面白い。
今で言えば、地産地消などはだれでも知っている。
このお店は、30年前からこの地のそば粉を使って商売をしてきたという。
その当時は非常に珍しく、行列の出来る店になったという。
【商売は、人と違うことをすればいい】
現在は、山懐に抱かれた土地で営業をしている。
蕎麦を植え、米を育て、生姜…あらゆる食材を自らの手で作っている。
また、山には【タラ】【ウド】など多くの食材があり、活用をしている。
会員制を導入し、田植えやその他を多くの家族が集い行っている。
共に訪問をした若者に、店主は
【植えた生姜ができているよ。持って行きな】
と。
また、多くの芸術家に光をあて屋外の舞台で公演を行っている。
今年は8月にはチャリティコンサート「アフリカの風」、10月にモンゴル音楽を開催するという。
店主語録
【親父を3人もて】
【温故知新ではなく温故創新】
【過保護ではなく過関心】
【本能のままに生きる】
等々…。
共に訪問をした若者の心にどのように響いただろうか?
多くの方を一人前にするために、多くの努力を払われている。
人を活かすということも自然に行われている。
人を見極める力は眼力からわかる。
生きていくことに貪欲であり、お金はあとから付いてくるということを、親から教えられた年代でもある。
同じ生き方をしてきたな、とつくづく思う。
眼力といえば、取引先の上層部が新しくなり会食にお招きいただいた。
やはり眼力なのです。
人が人に惹きつかれるときは、キリッとした眼に力あり。
どんなに良き言葉を言われても、惹きつけられないこともある。
人間って見た目の格好も重要だが、触れ合っていると見抜かれてしまう。
その中身であろうとつくづく思う。
前に戻ろう。
蕎麦屋の店主を紹介してくれた若者は、サラリーマンから自営業に変わり、いつかこのお店に私を招待できるようになりたいと言っていた。
約束通り昨年招待をして下さり、そしてその店主と逢わせてくださった。
今回は私からの招待である。
紹介してくれた彼からのお礼のメールが届いた。
「よく至福の時なんて言いますが、昨日はまさにそんな気がしてならないのです。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますね。
社長の言葉を思い出しながら今日からまた頑張って行きます!
素晴らしい父と母が傍にいると思うと身が引き締まる思いです。
もう一軒招待したいお店があります。
頑張って連れて行きますので待っていてくださいね。」
と結ばれていた。
彼は、この時悩みを持っていたと感じた。
しかし会話の中で自己解決できたのだろう。
また頑張ろうと意識が沸き起こったのだろう。
独立し、家族を養うことは並々ならぬ時勢である。
ほんの少しの縁を大事にしてくれる若き人に、新たな出会いのチャンスを示しあげられる場をつくり、多くの人から自分の人生を学ぶことは生きていく中で大事なことに思う。
こんなことを考えていた矢先に安岡正篤氏の【一日一言】が届いた。
【明師良友】
明師良友は我々の隠れたる内在の性に通ずる道を拓(ひら)き、
我々をこの道に鞭撻(べんたつ)する。
我は何であるか。
真実何を有(も)つかを徹見(徹底的な理解)せしめる。
人には種々の豊富な潜在的能力(才徳)があるが、ちょうど色彩に対する鋭敏な感覚を有する画家の作品によって、はじめて我々も自然における色彩美を感知し、今まで単純な音響しか聞く耳を持たなかった者が、微妙な音楽家の弾奏によって、はじめて音楽の世界を発見するように、人の潜在的能力も明師良友を待ってさまざまな風情を現じ、徳音を発する。
良き出会いを。
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