9月1日の災害訓練で道路を封鎖しておこなわれた放映を目にした。
手際良く進められていく様は、突然起こる多くの災害に対応ができるのだろうか?
【備えあれば憂いなし】という言葉があるが、未曾有の災害が起こればどうなるかは分からないのが現状だろう。
この類義語に【遠慮なければ、近憂あり】【転ばぬ先の杖】【後悔先に立たず】だろうか。
このような言葉を身につけているか否かにより、災害に備えるだけではなく、人生を生きて行く上で知っておくことは大事な事に思える。
諺を昔の人は喩えで使ってくれた。
若い人・若輩者に対して、長き人生の【道しるべ】を示して下さっていた。
言葉の端々から感じ取れることは多かった。
最近は、耳を塞いでいるように思える。
そういえば、歩いている人・自転車の人・電車の中でも耳を塞いでいるような…。

新しい内閣が発足し、民主党は非常に高い支持率になった。
まあ、支持率はどうでも良い話ではあるが、野田総理大臣から【汗をかき、実行する】という言葉がでた。
【相田みつを】氏の本の一節を引用していた。
そもそも【相田みつを】氏は、自らを戒めての詩のような短い文章を毛筆で書かれる書道家だ。
その生き様は、尋常ではなかなかできないことばかりだったと見聞してきた。

【人間だもの】という書籍が1984年に発行され1991年没までに4~5冊が出版された。
世の中に認知され、わずか7年であったと記憶している。
私が手にとって【人間だもの】を読んだのは26年前のこと。
仕事に出始め、やがて指導者になった時の悩みは深く、そんな私を見て夫は【母の日のプレゼント】として手渡してくれた。
今の自分に置き換えると、読み応えがあり、自分の未熟さを知らしめられた本でもある。
出版される本は、自らも読み、多くの人にプレゼントをした。
まだまだそのころは、詩の朗読をすると【それは、どのような本ですか】と尋ねられたものだ。
相田みつを氏没後、ご家族により多くの本が出版され、カレンダー・色紙となり陽の目をみることができm多くの著名の方々が世に知らしめてくださった。
この本は、自分自身に言い聞かせる本でもある。
言葉一つ一つに重みがあり、自分を振り返えらせてくれる。
すなわち【我欲を絶つ】であろうか。

相田みつをさんが、貧しいころに栃木の某和菓子やさんで、包装紙と文章を書かせていただいた話は有名だ。
その和菓子屋さんに、年数回品物を頼みます。
包装紙・文章もさながら、味もずっと変わらない。
もちろんネット販売はないですよ。
野田総理大臣の発言で、この和菓子が手に入らなくなるのではと心配をしているところだ。
私にはお年賀に使う大事な品なのだが。

泥臭く生きることをあえて伝えた総理、野田氏に拍手である。
昨今は、スマートに生きることが主流の時代が長く続き、外見の良さや中流意識とかが先行し、その結果【我欲の強さ】【みな平等】などなど声高らかに挙げられてきた。
時代を生き抜いてきた人々は、みな泥臭く生きてきたものだと思う。
古き人々の助言などには見向きもせず、メディアからの発信に合わせた生き方・子育て・仕事観等々、すべてとは言わないが本当に正しかったのか、新しい総理大臣の発言をきっかけに考えて見ても良いのではないだろうか。
自ら【どう生きるべきか】を。

秋の夜長
こんな時は、良き本を見つけ読むのも良いものだ。
耳を塞ぐ、近代的器具をちょっとやめれば、そこかしこから生きた情報が集まるかもね。
電車の中や雑踏の中での会話も、時には感銘を受けることもあるよ。
20代は良しとしても、30代は聞き耳を立てるぐらいで良いのかもしれないね。

本の紹介

【この世で一番大事な「カネ」の話】
角川文庫 580円 西原理恵子著

【人間の建設】
新潮社 362円 小林秀雄氏・岡潔氏の対談形式

投稿メンバー

江本ヒロミHiromi Emoto
神奈川県出身
いつまでもあると思うな親と金。
心も大きく体も大きいが病気は一切無し。心身ともに健康。