内閣改造後の新内閣がスタートした。
さらに日本の将来を考えてほしいと切に望みたい。
しかし、新大臣の発言に手ぐすねをしていたかのように追及が始まった。
毎度毎度、与党もメディアも変わらないな…と思う。

さて、日本の政治が混沌としているなか、本屋で平積みなっている
【清貧と復興 土光敏夫 100の言葉】
という本を手に取った。
土光氏を知る人は、40代後半でも、そういないことに気が付いた。
内閣時代に国の立て直しの為に、乞われて1981年に臨時行政調査会(臨調)という政府組織に中に入り、辣腕をふるったお方だ。

日本の国を知る上でも大事な存在であり、今日本が置かれている時代を思うと、土光氏が臨調という政府機関に乞われて、日本の改造をしたことを知ることが、時代を生きる知恵や考え方も浮かぶのではないだろうかと思う。
国鉄民営化などを手掛けた人と言えば記憶にあるだろうか。

【個人は質素に 社会は豊に】という言葉は有名である。
『めざしの土光』と言われた。
食もつつましく、ゴルフもせず、読書好きで、時間があれば庭の畑を耕した。
社長業をしても、政治機関にいても、電車と徒歩の通勤をしていたとも聞いた(放映を見た)記憶がある。
今時古い…という声が聞こえそうだが、日本の負債(借金)を考えると、30数年前の日本の状況と同じように思える。
この時の借金は10兆円(記憶では)現在は1000兆円と聞く。10倍に増えたという。

国鉄(現JR)の民営化などできないと言われていた。
その国鉄が民営化され、今では2300億円ほどの税金を納めている。
多くの企業は、民に下ろし、税金を納められる企業にしていくこと。
民に企業を移していく。
無駄は削減する現在でも相通ずるものである。
違うのは、本当に実行することができるか否かの違いだろうか。

【個人は豊に 社会は借金地獄】
生活保護の大幅な増加率・失業保険も同様・個人に対して、子育て支援の給付・学校は無償・国・都道府県(税金)からの支援金や補助金は書き連ねれば、とどまるところを知らない。

個人の資産が沢山ある国だから、日本の格付けは下がらないとか聞く人が多いが、国が貧困になれば、日本国紙幣は紙くず同然になることもありうるだろう。
かつて戦争時代を知る人は、日本国紙幣が紙くず同然になったことを知っている。
だから、銀行も保険会社も信じないという時代があったことを若者は知るだろうか。

旧国鉄(JR)も赤字ばらまき企業であった。
その企業が国から民営になり、現JRの発展は記載する必要もないぐらい皆が知るところだろう。
鉄道の運行のみならず、駅中の商業施設運営・ホテル経営などなど、民として利益を得る企業となっている。

【清貧と復興】の表紙には、戦後復興に全力を尽くし、高度経済成長を駆け抜け、晩年は国家再建に命をもやした。
私生活では税役を嫌い、社長時代は生活費も3万円、今こそ「メザシの土光さん」の話を聞こう…とある。

いくつか、土光氏の本の裏表紙にかかれている言葉を記載してみた。
【サラブレッドより野ネズミの方が強い】
【自分の火種は、自分で火をつけよ】
【できない・むり・むずかしいは禁句】などなど…。

30数年前の話ではあるが、今の日本が・国民の私たち一人一人が、昔も同じ時代があった、と思い出し・記憶し、この国を新しい時代に導くためには、土光氏のような考え方・行動力・質素ということも大切な要素かもしれない。

私が書き連ねるより、是非とも読んでいただきたい。
【清貧と復興】 土光敏夫の100の言葉
文藝春秋 著者 出町譲氏

私たちは、批判や非難・言葉の揚げ足をとらえた発言には、辟易をしている。
日本にも多くの困難はあったことを知ることにより、自らをただし、この国を若き人々・そして生まれ出子供達にも時代を引き継げるように、借金国からの脱却は当然であろう。
繰り返すが【個人は質素に、社会は豊に】の意味を深く理解したいものだ。

投稿メンバー

江本ヒロミHiromi Emoto
神奈川県出身
いつまでもあると思うな親と金。
心も大きく体も大きいが病気は一切無し。心身ともに健康。